3.11

ナイスキース!
陽気な神父に控え室で激しく握手された時点でやっと記憶が回復してきた。
怒涛の1日がスタート。朝の区役所の婚姻届提出は思ったよりあっさり手続きが終了し、式場のファミレスでお茶をする。
その時点から段々とテンパってくるのが自分でもわかった。飲んだ紅茶はストレートにトイレに流れ出し、昼飯を食べる予定だったのがまったく腹が受け付けなかった。
参列予定の友だちが続々合流し、さらにプレッシャーに拍車をかける。
着替え室から出て、親族控え室に入ってからはカメラと注目の嵐…。こんなに人に見られることは今まで経験したことがない。
自然とカチコチに固まる自分を意識しながら、夢の中にいるような不思議な感覚でいた。そこからは…握手までよく覚えてない。

披露宴は最初のシャンパンをひとくち飲んだとたんに逆流しそうになって焦った。
近くに見えるお偉方にそそうはないかとドキドキしながら、また体がカチコチに固まりだした。
ふーっと記憶が遠のくのを引き止めてくれたのは、友だちのお酌だった。
ハッと気づいたときには、やっとリラックスできる仲間がまわりにいてくれて、幽体離脱しかけた自分が戻ってきた。

ご招待して、できる限りの接待をしようと準備してきたけど、それ以上に仲間の自分に対する心遣いが完全に上回っていた。
自分のことを手のかかる子どものように心配してくれて、励ましてくれて、祝福してくれて…その気持ちが温かく体じゅうに染み渡った。
代表挨拶をお願いしたOMさま、余興をお願いしたTクラブの皆さま、本当にありがとうございました。
ひとりの人間に対して、なんでこんなにしてくれるんだろうという感動で、もうわけがわからない感情があふれでた。

おかげで今度はふーっと脱力してしまい、あれだけ詰め込んだ謝辞が足の裏から流れ出してしまった。
スポットライトを浴びながら真っ白な頭の中のセリフを必死に探し回ってしまった。

ただ、後々めったに誉めない父親によかったと言われたのは意外だった。


物語は終わらない。
二次会に突入してからもサプライズの連続。まず幹事さんたち。仕事で忙しくて、ろくに準備もできないはずなのに、立派なセッティングしてくれてたこと。
頼んだ当初は幹事同士がケンカ気味だったのがウソのようだった。やるときはやる姿勢に感激。
最大のサプライズは教授withダウンローズ
お願いしてなかったのに、余興を買って出てくれて、歌と色紙をくれた。
色紙は当日の写真が入っていて、一次会二次会に出席してくれた人の寄せ書きがあった。
披露宴でも十分すぎるほどのお祝いをもらったのに、もうどうしていいかわからないわけのわからない涙があふれた。
教授がこんなにも自分たちのために考えてくれて、プレゼントをくれるなんて思いもよらなくて、二倍の驚きと喜びがあった。本当にありがとうございました。
サプライズ返しに用意した花嫁に対する手紙の評判もよかったみたい。
準備丸投げで、苦労をかけまくった花嫁にちょっとだけでも恩返しできたかなあ。

とにかく長い1日だった。三次会でキャップの一言がまた染みた。
「お前だからやで。」

皆さま本当にありがとうございました。一生に一度の式で、こんな最高の思いができた私+嫁の二人は幸せ者です。
皆さまの祝福の気持ちをタップリ吸収した二人は、3.11の思いがあればどんなことでも乗り越えていけると思います。


さあ、もう一回エンディングロールを見るかな…。