お正月読書

雫井作品はとっても読みやすい。自分の中ではスラスラ作品だ。登場人物の中身を描くのがすごくうまいと思う。心理的な変化や、考え方を文章にすること、理解させることがこんなにスムーズにできることはすごいと思った。裁判官の主人公は立派な仕事をしているつもりが、実は重要な判断をできない優柔不断さがある。そのために、退官後の事件に巻き込まれる。風上から風下へ。火の粉にさらされて、初めて自分のことを見つめなおしていく。その心理描写が丁寧でわかりやすい。もっと別の作品も読みたくなった。