ミステリー感想文

ミステリー小説をかじっている。この本に夢中になっていた。宮部みゆきとかも読んだけど、よくわからない説明が長くて、頭が痛くなった。なぞに懲りすぎの小説はちょっとカンベン。
この本はすんなり読めた。最悪な事態の描写が実にリアル。町場の工場を営む主人公の一人は、自閉症従業員の不良品連発、商品持ち出しの失踪、地域住民の騒音抗議、賠償請求、得意先に無理やり2千万の機械を買わされるが、銀行の融資停止。過呼吸になりながら、錯乱の連続。発狂に近いかたちで銀行強盗、やけくそ蒸発に進む情景はまさに「最悪」。
別の人の感想では気分が悪くなったとあったけど、自分は逆にスッとした。仕事で嫌なことが多くて、モヤモヤする。でも、世の中こんな最悪な人がいるかもしれないものなぁ、と思ったら自分はいくらか楽なんじゃないかと思えてきた。まぁ実際は小説だからこんなことはありえないんだけど。気持ちはわかるよ気持ちは。